Mother's Day2022 エッセイ③
- nozomi
- 2022年5月10日
- 読了時間: 5分
更新日:4月11日

セルフケアとわたし
執筆者:nozomi
葉っぱのワーク
もともと気持ちが落ちやすい私が、心理士さんの本で読んで試していたセルフケア法がある。
自分が河原の辺りにいる情景を思い浮かべる。ゆるやかに流れる川に葉っぱが流れている。次々浮かんでくる思考を葉っぱに乗せていくイメージで、一つ一つ流していくというもの。
悲しみ、嫌なこと、様々な感情がぐるぐる回って落ち着かない時や眠る前などに、このワークをする。思考が一つ一つ流れている様子を思い浮かべると心が落ち着いていた。
離婚も仕事も一人で抱え込んでいた頃
離婚までの間に、やるべき事、考える事、決める事。色んな事があった。
大体、私は考える事が多いと、他の部分が抜けてしまうことが多い。自転車で買い物に行ったら、買い物が終わってから歩いて帰りそうになり引き返すとか。メモしたのにそのメモを置き忘れるとか。
だからA4ノートをコンビニで買って、とにかく忘れないように、情報や、手続きの期限や、約束の時間や場所、連絡先、出会う人の名前を書き留めていった。離婚が成立する頃にはノートも2冊目になり、あっという間に月日が過ぎた。
世間話に重い話をしても気を使わせちゃうかなと思っていた。偏見も怖かった。だから、職場では離婚関係のことはあまり話していなかった。お昼休みは、同僚がワイワイ話をしているのを聞いて、笑った。
自分のことも当たり障りのない話だけ話した。
だんだんと仕事量が増えていった。周りも大変だから断れない状況だった。
同僚は、私が欠勤の人の代わりに連勤で出勤していると「今週休みある?」とか、残業していると「昨日残業していたけど大丈夫?」など心配をしてくれた。私は、いつも「しょうがないですよ、気にしないでください。」「大丈夫ですよ、頑張ります。」とか気丈に返事をしていた。
もっと頑張ってる人はいる、仕事があるだけ幸せ、頑張んなきゃと気が張っていた。
でもやっぱり疲れていた。
担当する仕事が増えたのと、元々、ぎりぎりの人数で業務を回しているため、欠員が出ると余裕がなくなる。加えて、子どもの学校のフォロー、元パートナーとのやり取りでのストレス。コントロールが出来ない事が重なってしまっていた。
だんだん、葉っぱにも載せきれないくらい、頭の中が混乱してきていた。
そんな時、シングルマザーズシスターフッドのセルフケア講座の案内が来た。
自分を大事にするってこういう感覚なんだろうか
週末は自分のことに時間を使おう。何しよう。何もせず、ずっと寝ようかな。と思っていた。
そんな時、セルフケア講座の申し込み画面を開くと、キャンセルが出ていた。
すぐに参加できた事は、運がよかったと思う。
休日の朝の30分。
初めて参加してみて、こんなにシングルマザーの仲間がいるんだと驚いた。
共通点のある仲間という安心感。個々の事情を話したりしないけど、ゆるやかに一体感を感じる不思議な感覚。安心安全な場所だと感じた。
首の後ろ側、肩こりは自覚していたけど、明らかに固い。足全体の裏側のストレッチでは強張っていたのがよくわかる。え、こんなに強張ってたんだという気づき。体が伸びて気持ちいい感覚を味わう。
「自分のことは後回しで、やる事に追われてたね。お疲れ様」と自分に声をかけたくなる。
あ、これが自分を大事にするって感覚なんだろうか。
あっという間に終わったけど、短い時間で体も心もほどけて軽くなっていた。遅く起きた朝より気分もよかった。
まだ休日は始まったばかり。
充実の休日
セルフケア講座の前日。「好きなタオルが色が褪せてきたから欲しい。お店に行きたい」と子どもに言われていた。
行きたいのは結構遠いターミナル駅のお店。混むのは想像できる。それでも、子どもから外出したいって聞くのが久しぶり。ついでに私も少しぶらぶらしたい。
「その日は朝ママがセルフケア講座を受けたいんだよね。明日は晴れてるし、そのあとなら行けるよ。お買い物の後ママも行きたいとこに寄ったりしていい?」「いいよー起きれるかなー。」休日は早く起きるのが苦手だという子どもと、そんな話をした。
セルフケア講座後に、子どもはきちんと起きてきて、一緒に出かけた。納得のいくタオルを購入することができ、キャッキャと嬉しがっていた。2人で昼は「お米が食べたいね」と相談し、和食のお店でお米を食べた。そのあと私の見たいお店を見て、食べたいお菓子を買って帰る、という充実した1日だった。
いい時間の使い方をしたと考えながら、心地よい疲労でその日はすーっと眠りに落ちた。
私の人生の物語を語るのは私
離婚の原因は私にとってはショックな出来事だった。まだ時々息苦しい気持ちになることもある。
それでも、色んな人の助けを借りて、今はまた、葉っぱを流せるようになっている。
最近は苦手だった、自分の気持ちを周りに伝えることも、試みている。
進んだり、戻ったりでも、色んなことに挑戦している自分を認めてあげたい。これからも続く、わたしの人生の物語を語っていきたいと思う。
Mother’s Dayキャンペーン2022ご寄付のお願い
最後までお読みいただき、ありがとうございました。このエッセイは、NPO法人シングルマザーズシスターフッドのMother's Dayキャンペーン2022のために、シングルマザーのnozomiさんが執筆しました。このキャンペーンは、自身の心と体を大切にすること、それを互いにサポートしあえる社会を目指して実施しています。ご共感くださった方はぜひ、私たちの取り組みを応援していただければ幸いです。
NPO法人シングルマザーズシスターフッドは、シングルマザーの心とからだの健康とエンパワメントを支援する団体です。ご寄付は、「シングルマザーのセルフケア講座」の運営費として大切に使わせていただきます。
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