湧き出る感謝と、新たなる挑戦
執筆者:ハル
息子が生後まもない時に離婚した。
手にしていたものを、何もかも手放した。
ドラマの中にいるような出来事を目の当たりにし「こんなことが私にも起きるんだ」「当たり前のことなんて何ひとつないんだ」と思った。
それでも、腕の中にいる息子は、変わらず可愛くて愛おしい。
息子に触れていることで、何とか自分を保っていられる気がした。
「この子がいてくれてよかった」
何度も何度も、心の中で繰り返した。
ひとり親になった私には、息子しかいない。
息子にも、私しかいない。
ひとりでこの子を守らなければ、と思った。
ひとりで息子を育てる覚悟をしたあの時から3年が経ち、少しずつ考えが変わってきた。
自分の周りには沢山のサポーターがいる。
息子は多くの人に愛され、一緒に育ててもらっている。
ひとりだけど、ひとりじゃない。
そんな心境になれた今の自分だからこそできることはないか、探し始めた。
そんな時にたまたま出会ったのが、シングルマザーのセルフケア講座だった。
インターネット上に、全国からシングルマザーたちが決まった時間に集い、みんなでストレッチや対話を行う。
慌ただしい毎日の中で、それは心身ともにほっと癒やされる、貴重な時間となった。
そこに集うメンバーは、みな、ひとり親になった経緯は様々だが、前向きで温かく、もっと話してみたい!と思う方ばかり。
このMother's Dayキャンペーンのボランティアスタッフの募集がかかった時、子ども時代に戻ったかのように、ワクワクして、真っ先に手を挙げた。
そのご縁で、今、この文章を書いている。
沢山の方に支えられて、新たな挑戦ができている。
いつも味方でいてくれる家族。
支え合い、切磋琢磨できる友人。
認めてくれ、励ましてくれる職場の上司や同僚。
温かく見守ってくれる保育園の先生方や、お友だち家族。
尊敬すべきシングルマザーの仲間たち。
お会いしたことはないけれど、この活動を支えてくださる支援者の方々。
そして、「ママがいてくれてよかった」と声をかけてくれる息子。
母の日だけれど、「母」という立場に限らず、みんなに感謝を伝えたい。
心からありがとう。
かつての私のように「自分はひとりだ」と思っている人たちが、少しでも前向きになれる場が増えるように。
すべての子どもたちが、自分らしくのびのびと生きられるように。
自分にできることを、一歩ずつ、進めていきたい。
Mother's Dayキャンペーン2021ご寄付のお願い
最後までお読みいただきありがとうございました。このエッセイは、Mother's Dayキャンペーン2021のために、シングルマザーのハルさんが執筆しました。このキャンペーンでは、ひとりとして同じ人はいない、個性あふれるシングルマザーたちのかけがえのない素顔を祝福し「自分を大切にすること」「セルフケアの大切さ」を呼びかけています。
NPO法人シングルマザーズシスターフッドは、シングルマザーの心とからだの健康とエンパワメントを支援する団体です。共感し応援してくださる方はぜひ、ご寄付をお願いします。ご寄付は、「シングルマザーのセルフケア講座」の運営費として大切に使わせていただきます。
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