寄付月間キャンペーン2023 エッセイ④
- さとじゅん
- 2023年12月12日
- 読了時間: 4分

アメリカで見つけたワークライフバランス
執筆者:さとじゅん
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2023年10月5日、母娘で羽田空港第3ターミナル搭乗口前に並んで座る。
10,734kmの旅、ヒューストン行き搭乗直前。
出発までの数週間、手続き・パッキング・大量の仕事を何とかこなし、元気に出発できる安心感と初めての海外旅行への高揚感のまま飛び立った。
「娘とアメリカ旅行に行きたい」という思いが湧き起こったのは、去年のシングルマザー同士の対話の場、グループリフレクションの最中。
1年後にやりたいことは?の問いに、真っ先に浮かんだ。
夢で終わらせず実現まで辿り着けたのは、勤続20年で獲得した1週間のお休みの権利のおかげでもあった。
会社人
私は新卒で入社した会社にずっと勤務している。
結婚・転勤・離婚を経て、娘をシングルで出産した。
娘をひとりで育てるために、仕事のモチベーションは、「収入を得るため」へ変化した。産休が明けて復帰し、時短でも営業という役割で、周りのメンバーに助けられながら、必死に働いた。
17時に保育園のお迎えを理由に退社するが、帰宅してご飯の支度から寝かしつけまで終わると、パソコンを開き残務をする日々。
少しずつ実績が出てきた頃、私の身体は悲鳴をあげ、娘が3歳の時に乳がんを告知された。
ショックだったが、ひとり娘がいる。病気に負けてられないとすぐに前を向いた。
1年4か月の治療中も、仕事は「自分」を見失わない居場所となり、テレワーク主体で働き続けられたことも有難かった。
治療が終わりかけの春、企画部に異動。初めての仕事で戸惑うことも多かったが、仕事のモチベーションも変化した。
どうせ働くなら楽しく!そんな私の背中を娘に見せたいとも思った。
同時に、仕事・子育て・家事・セルフケアといくつものバランスの重要性も実感した期間だった。
小1の壁
2023年4月、娘は小学校に入学、私はまた部署異動になった。
テレワークがほぼ出来ない環境で、娘を優先に考えていた私は、与えられた役割をこなすことが出来なくなった。
毎日「学校に行きたくない」と行き渋る娘と、新しい役割で淡々と働く私。
仕事と子育てのバランスを見失い、自信なく丸い背中で半年が過ぎる。
いざアメリカへ!
何かを変えたかった私は、去年のグループリフレクションの時に書き込んだシートを見返し、アメリカ旅行を決めた。
アメリカには私の親友ファミリーが住んでいて、初の2人旅でも心強い。娘にも新しい世界を感じてほしかった。
中学校のバレーボール大会
滞在7日目、親友の娘さんが所属する中学校のバレーボールの試合の応援に行った。
木曜日の夜6時に開始の試合。
日本では練習試合を毎試合応援に行く両親はむしろ少数派、平日の夜に開催となれば、なおさらだろう。
しかし、この試合は3列の観客席が付いた体育館に50人の観客。子ども達の親がほとんどで、中にはドクターが仕事着のままで来ている姿も見える。
親友の話では、平日でも応援に行くために仕事を調整して駆けつけるのは日常だという。白熱した試合で、ゲームを決めるスパイクが決まった瞬間は割れんばかりの大歓声。
自分と子育てのありたい姿を体感した時間だった。
これから
旅行で、心身共にリフレッシュ出来た。
娘は娘なりに楽しく学校に行き、体育やサッカー・バスケットが大好きな小学生になった。
私も前より楽しく仕事に取り組んでいる。何より娘との時間を最優先し、練習も試合もサポートし、応援する。
子育て最優先の働き方を実行するのは簡単なことではない。
迷ったり悩んだりした時は、またグループリフレクションに参加して、自分に問いかけ、言語化し、皆に発表し、新しいバランスを見つけていこう。
2年後、母娘でまたアメリカ旅行に行こうと計画している。
次はどこに行きたいか、ふたりでワクワクしながら話す時間が宝物だ。
寄付月間キャンペーン2023ご寄付のお願い
最後までお読みいただきありがとうございました。このエッセイは、寄付月間キャンペーン2023のために、シングルマザーのさとじゅんさんが執筆しました。
NPO法人シングルマザーズシスターフッドは、シングルマザーの心とからだのセルフケアを支援する団体です。いただいたご寄付は、「シングルマザーのセルフケア講座」と「表現による自己の回復プログラム」の運営費として大切に使わせていただきます。シングルマザーの心とからだの健康は、子どもたちにとっても不可欠です。ぜひ応援いただければ幸いです。
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