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寄付月間キャンペーン2022 エッセイ⑨

  • mina
  • 2022年12月14日
  • 読了時間: 4分

更新日:5 日前


寄付月間キャンペーン2022 エッセイ⑨:10年日記

10年日記

執筆者:mina


🎙️音読はこちら

10年日記



空白の日々

2013-2022と刻印されている分厚い日記帳が、今年の12月31日で書き終わる。


1ページに10年分の同じ日付の出来事が一覧できるというもので、現在小5の息子が1歳の時に、育児記録になればと思い購入した日記帳。


最初の4か月くらいはけっこう真面目に書いていたが、5月の連休あたりからその後3年間は、ほぼ空白になっている。息子が乳幼児で、元夫と3人で暮らしていた時期だ。


元夫とは何度も修復を試みた。けれど、話し合いもできない関係になって、私は自分が壊れる前にここを出なければと強く思った。


近所のお寺の貼り紙に書かれていた「大胆に願え」ということばと、ラジオから私と同じように夜逃げの計画を立てている人の相談が聞こえたのを、勝手に自分へのメッセージと受け取った当時のことを鮮やかに思い出す。


あの日、どうやってやり遂げたのか不思議だが、いろいろな人の協力を得て必要最低限の荷物を積み、家出を決行した。



門出のとき

その後別居から6年半、先が見えず時間もお金もかかったが、昨年離婚が決まり、正真正銘のシングルマザーになれた。


判決を聞いた時には小躍りし、とても晴れやかな気持ちになった。友人たちと、たくさんたくさん乾杯もした。


二度と味わいたくない経験だけれど、そこから受け取ったものも多くある。

息子と一緒にいられる喜びはひとしおだし、助けてくれた人たちへの感謝の気持ちはずっと忘れない。


いつだって自分で決めて、現実を変えられるということもはっきりとした。

気分転換は得意になって、ごきげんでいられる方法をいくつも知っている。



ふたりの暮らし

息子が幸せであるために私ができることは、彼のありのままを受け入れることだと思っている。


小さい頃は、マイペースな息子を待つことに多くの時間を使っていた。ごはんを食べる、着替えをする、階段を登る、お風呂に入る…たくさん待っていたことが、いまは全部できている!


小5にもなれば、きほんの衣食住が足りていればとくに世話をやく必要もない。そのままでいいわけだから、私も楽ができる。趣味は本に漫画にYouTube、雑学大好き少年だ。


私はラジオが好きで、かねてから聴いているお気に入りの番組で最近初めてメールを読まれ、自分でふいた口笛の音声データも放送で流れた。まず番組の一部になれたことがとてもうれしかったが、ラジオパーソナリティからは「口笛がうまい」とほめられ、放送を友人に聴いてもらうと「口笛を特技と言ったほうがいい」とも言われた。大人になって人前で口笛をふくこともなかったが、思わぬことですっかりいい気分になった。


そんなふたりの小さな暮らしは、毎日たんたんと各々好きなことをして過ごす、のんきで平和なものだ。



これからの10年

ここ2年でセルフケア講座から始まり、ひとり親TECHエンパワメント講座、マネーリテラシー講座と、シングルマザーズシスターフッドの講座を受けてきた。ひとり親でなければ出会うことのできなかった魅力的な仲間と一緒に、実践的な新しい学びの機会を得られている。


そこで一貫して大事にしていると感じるのは、「自分の価値観」を大切にすること。私の場合、それがどんどんシンプルになっている。


「堂々と、楽しいほうを選ぶ」と決めた。


来年からの10年日記帳も、もう手元にある。


これからの10年、より身軽に素直に、やりたいことをやっていこう。



寄付月間キャンペーン2022ご寄付のお願い
最後までお読みいただきありがとうございました。このエッセイは、シングルマザーズシスターフッドの寄付月間キャンペーン2022のために、minaさんが執筆しました。

寄付月間とは、「欲しい未来へ、寄付を贈ろう」を合言葉に毎年12月の1ケ月間、全国規模で行われる啓発キャンペーンです。シングルマザーズシスターフッドは寄付月間2022のアンバサダーにもなっています。

今年のキャンペーンでは「Turn lemons into lemonade.」をキャッチフレーズに、シングルマザーが試練を転機に変えたエピソードをエッセイにして、人生を前向きに進める一人ひとりのシングルマザーの生き方を祝福します。

ご共感くださった方はぜひ、私たちの取り組みを応援していただければ幸いです。


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